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【本の記憶】人に"愛着"を持たない回避型人類が増加中⁉本「ネオサピエンス」概要

どうもちぬマロ🌰です‼

最近読んだ本「ネオサピエンス」が、非常に印象的で興味深かったので、自分の読書記録としてまとめてみました。

この本を読めば、加速する人間関係の希薄化、ネグレクト、セックスレスなどの社会問題の原因が明らかになります‼

もしかしたらあなたのパートナーや子供は、回避型人類になっていませんか…?!

 

★本の紹介★

タイトル:ネオサピエンスー回避型人類の登場ー

著  者:岡田尊司

発  行:文藝春秋

出  版:2019年11月20日

 

 

📚本の概要

精神科医であり、医学博士である著者の岡田先生は、発達や愛着に深刻な課題を持った若者達に長年向き合って研究された方で、結構専門的な内容でした。

 

そのため、要点を整理して、自分なりに図としてまとめてみました‼ 

(初の試みなので、わかりにくかったらすいません(>_<))

ネオサピエンス概要図

本「ネオサピエンス」概要図

この本では、人間の幸福と深く関係している人に対する”愛着”に着目して、話が展開されていきます。

しかし、この”愛着”という感情ですが、様々な革命によって、徐々に感じずらくってきているらしいです!?

そして、その歪の中で生まれてきたのが、そもそも愛着を期待しない愛着回避型人類」=「ネオサピエンス」という新人類 です。

回避型人類は、最初から他人の愛情に期待しない代わりに、自分のことだけを考えるようになります。

そのため、人とのコミュニケーションが必要となる集団、性交、子育てなどを苦手としていますが、人より”物”に対する愛着が強く、情報化社会となったIT革命の恩恵を受けて、成功を遂げています。

さらに、性機能が退化しても、最先端の生殖医療により子供を作り子孫を残すことができるようになりました。

そして、回避型人類が世界の過半数を超えた時、想像を絶する世界が待っているかもしれない‼ということが書かれています。

 

結構長文になっちゃいますので、より詳しく知りたい方は、続きを読んでみてください(`・ω・´)

愛着回避型人類の誕生 

愛着回避型人類が誕生するまでの世界とその後どうして愛着回避型人類が誕生してしまったのか?なぜ増加しているのか?について、順番に書いていきます。

【過去】共感型人類が多数を占める世界

元々我々人類は、木の実を採取したり、狩猟することで生活していた狩猟民族でした。そこでは、家族や親族である血縁者と協力し、生活をしていました。

その後、農業が発達すると血縁者よりさらに広い隣人や村単位で協力して、作物を育てて生活するようになります。

つまり、人と人の繋がりは、生きる上で非常に重要なもので、土地や人に”愛着”が生まれます。

この愛着を持って育ってきたのが、今でも過半数を占める”共感型人類”です。

彼らは、人の感情を読み取り、空気が読めて、集団で協力することを重要視します。 

愛着システムの崩壊の理由と回避型人類の誕生

しかし、この愛着システムが崩壊し始めます‼

崩壊のきっかけは、人類が起こした様々な革命です。

特に産業革命により、農業中心の生活から商業や手工業が起こり、都市化が進みました。

これにより、家族は仕事から切り離され、家庭は、「子育てや安らぎの場」となります。

しかし、グローバル化が発展すると、共働き世帯が増え、「子育てや安らぎの場」としても不完全になり、夫婦関係にもほころびが出始めます。

この頃から愛着システムが機能しなくなります。

親が忙しすぎて子供の面倒を十分に見ることができないという状況に適応するために生まれたのが愛着回避型の子供です。

回避型人類の増加

愛着回避型の子供は、親の愛情や手厚い世話を期待せず、自分でなんとかしようとします。

世話をしてもらえない代わりに、自分のことだけを考え、人に共感されたこともないため、人に共感することもありません。

「他人は他人。」「自分は自分。」という割り切った考えを持ちます。

 そして、そうやって育った子供は大人になると回避型の大人になり、子供よりも自分を優先します。

その親の元で育った子供は、愛情不足から愛着障害になるか、回避型になり、さらに回避型が増えていくことになります。

IT革命と子育てへの影響

そして、このサイクルに拍車をかけたのが、IT革命です。

IT革命により、誰もが携帯を持つようになると、親は子供の顔より携帯を見るようになりました。

愛するものを見ると分泌される愛着ホルモンであるオキシトシンが分泌されず、 脳には興奮を高める神経物質であるドーパミンが放出されます。

こうしてネグレクトが増加し、さらなる回避型の子供が増加しているというのです!!

 

回避型人類の特徴

本書では、回避型人類の様々な特徴が挙げられていますが、主なものをピックアップしてご紹介します。

回避型愛着スタイルの安定性

 回避型愛着スタイルは、人への期待値が低く、自分しか信頼できないため、欺かれたり、愛する人を亡くすことによるリスクを限りなく下げて生きています。

 そのため、共感型人類より心が揺れることが少なく、高い安定性を持っています。

SEXをしない

 SEXにより興奮物質であるドーパミンが放出されるだけでなく、オキシトシンが分泌され性的パートナーに愛着を強め、心理的にも生理的にも強い絆が生まれます。

 しかし、オキシトシンの分泌悪い回避型人類は、SEXによるドーパミンは放出されても、オキシトシンの分泌が少なく、快楽の質が悪くなります。

 そして、ゲームの方がはるかに効率的にドーパミンを放出することが可能になります。

 生殖機能が低下しても生殖革命によって、子孫を増やすことが可能になったのも回避型人類が増加している大きな要因のようです。

子育てが苦手

 当然オキシトシンが重要な子育ても苦手になります。

 オキシトシンの作用が弱いため、赤ん坊を見てもぞっとするだけで、どうしてよいかわからなくなるようです。

 マニュアルがないと不安になる回避型人類は、人間というより物として扱ってしまうことで事件が起きることがしばしばあります。

人より物を愛する

 物にはマニュアルがあり、人の気持ちを考える必要がないため、物を愛するようになり、この性質により産業分野において、回避型人類は成功を収めています。

 さらに情報も物と同じような性質を兼ねており、情報がネットワークによりたやすく入手できるようになった現代の恩恵を受けたのが、回避型人類だったのです。

【未来】回避型人類が過半数を占める世界

最後に回避型人類が過半数を占める世界が、どうなっていくのか?

これまでの回避型人類の性質を考慮して、筆者はその先の未来を描いています。

過去のものとなった結婚

 回避型人類の大部分は生涯独身です。しかし、子供を持つことが推奨され、妊娠、出産、育児のすべてを社会がするようになります。

 代理母による出産、共感型人類による代理子育て、果てはマザーロボットの登場など技術革命によりSEXをしなくても子孫を残し、生涯自由でいられる世界になります。

徹底的に公平なAIによる統治

 民主主義のように人が集まって考えを議論するようなことはありません。

 AIの判断が圧倒的に公平性に優れ、問題解決に有効なことが示されると、合理的で公平性を重視する回避型人類の世界では、AIが立法・司法・行政を統治するようになります。

突然襲ってくる自殺衝動

 回避型人類を悩ませる問題の一つは、自殺衝動です。

 普段はとても穏やかで理性的な人物が、死の衝動に捕らわれると自己破壊行動に突っ走ってしまいます。

感想

なかなか衝撃的な話が多かったですが、現代社会が抱えている大きな問題とリンクする内容だったと思います。

身近なところでいっても、効率的にドーパミンを放出することができるゲーム・漫画・動画サイト等が世の中には溢れかえって、依存者が出ていますね。

もしかすると夫婦間によるセックスレスも、こういった情報化社会により後天的にオキシトシンの分泌が鈍くなり性交による”幸せ”を感じにくくなり、ゲームなどによる快楽の方が手軽だと感じる人が増えているのかもしれません。

高齢化社会の日本は、まだまだ上の世代が共感型人類が多いと思いますが、若い世代では、かなり回避型人類が増えてきているらしいです。

会社の飲み会を嫌がったりするのもそういった新人類の一例なのかもしれません…

共感型人類の私としては、回避型人類の社会はあまりにも冷徹で、ぞっとする世界に感じました。

一方で、この本を読んで、共感型人類としての自覚を持つこともできたので、幸せに生きていくためには、人との関わりは重要なもので、面倒なことも多いけど、自分はそれなしでは生きられないということを認識することができました。

 

 

かなり長文となってしまいました笑

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!